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【クロージングイベント迫る!】近藤康平”ライブ感はすごく重要なキーワード”

8月10日(土)に3週間の滞在制作と展示の集大成となるクロージングイベントを迎える近藤康平氏。絵を描き始めたのはなんと29歳という異色の経歴の近藤さん。その魅力を少しだけお届けします。


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−プロフィールに、「鳥取大学大学院連合農学研究科卒業(森林学を学ぶ)」と書いてありますが、そこから何故、絵を描くことに繋がったんだろうと思っていました。

「鳥取大学では、ちょっとユニークな担当教授に『君は就職活動しないで、きちんと修士論文を書いたほうがいい。そうすればこの先どんなことがあってもやっていける。きちんと道が拓ける。』と修士課程のときに助言され、実際に大学院で就職活動をおこなわずにその先生のもとで林政学の修士論文の作成をしました。その後、本当に就職活動していなかったから、関東の実家に帰ってきていたんです。時間があったので、表参道にふらっと遊びに行きました。緑が多い場所に行きたくて、表参道は明治神宮や代々木公園も近くて緑が多いですよね。そうしたら、表参道の裏に緑に囲まれた絵本屋があって、こんなところで働きたいなぁなって思ったんです。そして翌日、ふと朝日新聞を見たら何と、そこの求人広告が出されていたんです。応募して面接を受けて、絵本屋の書店員になりました。」

−まず書店員さんなんですね。緑っていうのも絵本っていうのも、今の近藤さんのスタイルに繋がっていくようなお話ですね。それから??

「絵本を売っていたら、好きな絵本作家の人が何人も出てきて、そうしたら絵本を生まれる場所に興味を持ったんです。そう思っていたらちょうど、絵本の編集に携わらないかと声がかかりました。その流れで実際に絵本を編集する仕事に就き、会社員として今から1年4ヶ月前まで働いていました。」

−絵を描き始めたのは書店員さんの頃からですか。

「はい。今年で38歳になるんですが、絵は29歳で描き始めて、その頃はまだ書店員でした。ライブペインティングは4年前から始めました。ちょうど編集者になるかならないかという時でした。最初はWindowsのPaintで落書きをし始めたんです。mixiの日記で、文章だけじゃつまらないから絵でも描こうかなと。最初は落書き程度だったんですが、最終的には信じられないくらいPaintの技も上達しました。そんな時、mixiにUPした絵をたまたまカフェのオーナーが見ていて、うちで個展どう??と声をかけてくれたんです。それが、初個展でした。」

−mixiきっかけはとっても意外です!

「よく考えると初期は本当にmixiに支えられているんですよね。ターニングポイントとなるbirds melt skyのボーカル前田くんとの出会いもmixiでした。前田くんがバンドをやっているってmixiを通じて知って、ライブを見に行ったら、トレモロイドとも繋がったし。」

−ライブペインティングを始めたきっかけは前田さんだったんですか。

「前田くん繋がりで仲良くなったトレモロイドが、メンバー全員で当時ちょうどやっていた僕にとって3回目の個展を観に来てくれて、そこで(トレモロイドのBass高垣)空斗くんに”一緒に何かやらない??”と言われたところからでした。その空斗くんのイベント企画で、実際にトレモロイドのボーカル小林陽介くんのライブに合わせて即興で絵を描くことをやってみたんです。そのあとにトレモロイドの小林陽介君、小林郁太くん、birds melt skyの前田真吾君と、僕でyisk(イースク)というライブペインティングユニットを結成し、いろいろなライブハウスに出演するようになりました。そうやって出演したイベントの対バン相手の人が気に入ってくれたり、ライブハウスの人が気に入ってくれたり。そうやって活動が広がっていきました。さらに大きなきっかけとなったのは、当時、空斗くんが働いていた(世田谷区)東松原のCOKAGEというカフェでやることになった、2ヶ月に1回オールナイトでのイベントでした。」

−そこに色んな方が遊びに来て、輪が広がっていったんですか。

「それが、初めての自主企画だったんです。僕が好きなミュージシャンを何人か呼んでライブをしてもらって、最後はyiskでパフォーマンスをするという形でした。」

−そこで色んなミュージシャンの方と繋がっていったんですね。

「そうですね。例えば今回の会期中のPartyでライブをしてくれた原田茶飯事くんにも毎回のように出演してもらっていました。ミュージシャンの他には、PLATONのドラマーであり渋谷の7th Floor店長で元屋根裏の店長の赤木さんと繋がったのも大きかったです。赤木さんに出会って、7th Floorで定期的に今もやっている『音×色』(ネイロ)というイベントができるようになったので。赤木さんが本当にたくさんのミュージシャンと出会わせてくれました。」

−色々な場所で展示やイベントをやられていますが、今回はEDITORY神保町の3F。近藤さんの展示後は改装され、状態は多少変わってしまうと思いますが、どうでしたか??

「一番の魅力は広さ、大きさ。今までに描いたことのないスケールのものを描けました。それから改装前ということで、多少汚してしまっても大丈夫だったり、何もモノがなかったのも、絵を描く上では何も気にせず没頭できる環境でした。滞在制作ということで、好きな時に描いて、寝っころがって、お酒も飲めて、また描いて…至福の時間でした。」

−改めて、8月10日(土)にクロージングイベントでライブペインティングをやって頂きますが、来る方や、初めてだけど行ってみようかなと思っている方にお伝えしたいことはありますか。

「初めてライブペインティングをやる時に、トレモロイドの(小林)陽介くんに『演奏する側と絵を描く側が同時に見せる意味が、来ているお客さんにしっかり伝わらなければ、康平くんとやるのは嫌だ。だから、”僕と一緒にやる”っていう意味を考えてほしい。』と言われたんです。なので、お客さんが自然と両方とも見られるようにと思って、僕はいつもミュージシャンのすぐそばで絵を描くようにしています。それから、30〜40分のステージでずっと見ていて飽きないように、次々と音楽に合わせて見る景色が変化していくように描いていくスタイルをとっているのも最初にそうやってミュージシャンとしっかり話せたのが大きかったです。」

−たしかに、近藤さんのライブペインティングを見るまで、正直、ライブペインティングって公開制作とどう違うんだろうって思っていたかもしれません。音楽がある意味ってなんだろうって。

「ライブペインティングは公開制作ではなく、ライブパフォーマンスにしたいと思っています。お客さんにお金をいただいて観てもらっているので、その時間がしっかりと楽しめるようなパフォーマンスをしたいと思っています。それから、今回の公開制作も、気持ち的にはライブという感覚がすごくありました。公開して描く意味っていうのは、ただ描いている姿を公開しているのではなくて、来てくれた方に”私の一言が絵に反映された!”って喜んでもらえたり、ここに来たことを実感してもらえることなのかなと。なので、なるべく来ていただいた方と喋りながら絵を描くようにしていました。例えば今日も、”絵に潜っているみたい”と言われたので女の子が潜る姿を描いてみたり。その場、その瞬間に生まれるライブ感ということは僕にとってすごく重要なキーワードです。」

  
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 3週間の滞在制作/展示中、皆さん口を揃えて、「心地良い」「ついつい長居をしてしまった」とおっしゃっていただきました。それは、近藤さんの持つ絵の力に他なりませんし、インタビューを通じてこの場所に立ち会えていることがすごく幸せなことだと思わせてくれる近藤さんの人間力を実感しました。
 
 近藤康平氏の絵やパフォーマンスをまだ見たことのない方、とにかく是非一度見に来て下さい。8月10日(土)、近藤さんや樽木さん、シーナさんのパフォーマンスを盛り上げてくれるのは来てくれる皆さんです!

近藤康平 facebook https://www.facebook.com/kohei.kondo.75
     Blog   http://kkouhei.cocolog-nifty.com/

●クロージングイベントのチケットの予約 Tel:03-3263-0202/Email: [email protected]

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近藤康平×EDITORY 滞在制作プロジェクト〜exhibition『過程』クロージングイベント
 日時:8月10日(土)18:00 START (17:00 OPEN) 21:00 CLOSE予定
 参加アーティスト:樽木栄一郎/シイナアキコ
 入場料:(当日) 3,000円 (前売り)2,500円

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